「そんなことしないッスよ!!」
ロジャーは、レオンと方を並べて、懐かしい街を後にした。
「………失態だな、ダリウス……あれ程の軍を率いて行ったというのに、敗退するとは………この責任は重いぞ……」
そう言ったのは、ニコラスの向いの席に座っている男だった。
淡い銀髪とエメラルドの瞳の若い男だ。
「……来ていたか、バルドル……」
「貴様、少しは自分の犯した罪を……!!」
「待つんだ、バルドル………」
机を叩き付けて立ち上がったバルドルを諫めたのは、エノクだった。
「……しかし…!?」
「とにかく、二人とも座ってくれ。」
二人は自分の席に座った。ニコラスはその間全く動かなかった。
エノクは、二人が席に座るのを待って、口を開いた。
「………ダリウス……どういうつもりだい……?彼を放っておくと言ったのは、君自身だった筈だ……」
「確かに俺はあいつはまだ修行が必要だと言った……だが、生半可な修行では真の力に辿り着けない…」
「だからあんな事をしたのか?全く……軽はずみにも程がある!!貴様のせいで計画に支障を来たしているのだぞ!!」
「…たが、収穫はあった……」
「……何……?」
「面白いね。聞かせて貰おうか?」
「……レオンは、白騎士を目覚めさせた……そして、その力にも目覚め始めている……」
「白騎士だと……ッ!?」
「……そうか……なら、引き続き彼のことはダリウスに任せよう。必要とあらば、『アレ』の使用も許可しよう……」
「……分かった………」

