≪凌央Side≫

バシッ!!

その音に続いて,「最っ低!」と言い捨てる俺の彼女…いや,正しくは『元彼女』の萌未。

俺は,たった今萌未に別れを告げた。


と言うか,悠優が俺より先に萌未に伝えたらしい。




俺が幸せにしたいと思うのは,

悠優だけなんだと。



自分勝手だとは思うけど…


これが,俺の本音だから。








その後,俺は悠優にフラれることとなった。


両想いなのに。


悠優はいきなり『付き合えない』と言ってきた。


何があったかはわからない。


父親の転勤だと言っていた。



一方的に別れを告げた悠優は,振り向くことなく走り去っていった。



でも俺は

あの時確かに,



悠優の目に光るものを見たんだ。



理由はわからないけど,俺は悠優を信じてる。



悠優が,一人で悩んで出した答えなのだから…


間違っていたとは言わないよ。



よく,頑張ったね。