何か不思議。


最初は拓也君のこと、ちょっと嫌だったけど、一緒にいると自然と笑顔になれる。


友達としてはいいかもね…。



「紅葉…」


「え…」



拓也君の真剣な眼差しにドキッとする。


拓也君があたしの髪の毛を触ったかと思うと、すぐに髪の毛から手を離した。



「え…何??」


「これ…ついてた」


「あ…」



それは、桜の花びらだった。



「まだ咲いてたんだね」


「うん」



そう言って、拓也君は小さく笑った。



その瞬間、ちょっとドキッとした。


拓也君の笑った顔…初めて見たかも…。


初めてっていうか、初めて真剣に見たって感じかな。



ガラガラガラ。


その時、先生が出てきた。


拓也君は、すぐに教室に戻っていく。


もうちょっと、話していたかったかもな。



でも、ちょっと分かったこと。


拓也君は、悪魔みたいだと思ってたけど、悪魔じゃなかった。


たまに、悪魔っぽいときはあるけどね。