「 …ねぇ、


私、桃の新しい部屋行ってみたい!」






…始まりは、

親友の彩葉ちゃんのその一言だった…







「 あっ!

俺も行きたい!!」


彩葉ちゃんの言葉に、同じく親友の亜斗夢くんもそう声を上げた…






「…えっ、

い、いいけど… 」




どうして突然そんなこと言うのかなって、私は不思議に思った。



私が頷くと、2人は途端に楽しそうな声を上げた…




「 やった!

これで例の"佐伯さん"見れるかも!!」


「 いや~、ほんま楽しみやわ~ 」




「 !? 」







…どうやら、

2人の目当ては、私の部屋というよりかは、お隣の佐伯さんみたい…。








でも、

2人には悪いけれど、
私はどうも乗り気にはなれない…




だって、

日曜日の一件以来、私はなんとなく恥ずかしくて佐伯さんを避けてしまっているのだから…