205号室の
ユキ姉こと、
由貴子さん。
この春
結婚するらしい……
「 ねぇねぇ!!
今さっきユキ姉の婚約者さん見て来たんだけどね、
すっごい いい人そうだったよ!!
なんていうかね、
全身から優しさが滲み出てる感じなの!!」
さっき見たかけたユキ姉の婚約者の人は、
とっても優しそうなお兄さんだった…
私が少し興奮気味に弟の立夏にそう語ると、
「 …ふーん。」
と、立夏からはどうでもいいような返事が返って来た…
「 …なによ、
ずいぶんとテンション低くない?
あ!さては立夏ってば、ユキ姉が結婚しちゃうの寂しいんでしょ??」
「 なっっ!?
そそそそっ、そんなわけねーだろっっ!!!!」
私が冗談で言うと、
立夏はかなり動揺したように言い返した…
「 なに動揺しちゃってんの…、
さては図星?」
「 違ぇよっ!!」
必死になって言い返してくる立夏の顔は、かなり赤かった…
「 図星なんだ…? 」
「 ………。」
どうやら本当に図星だったようです…。