この感情はきっと、
卒業の名残惜しさとよく似ているのだろう…
自分の望む進路に向かうのに、学校からは卒業したくない。
…そんな感じ。
だから、出て行ってしまえばなんてことはない。
新しい生活が始まればすぐにこの感情も薄れていくだろう…
「 大丈夫だよ。
気にしないで…?」
「 ………。
ばか、気にするに決ってんだろ。」
言いながら彼は私をギュッと抱き締めた。
「 ほら、言ってみ?」
まるで子どもをあやすような優しい声
「 ……っ、」
私は、込み上げてくる感情を押さえ切れなかった。
ついでになぜか涙まで滲んできちゃって、
私は泣きながら、この思いを彼に伝えた…
「 ……ここ離れるの寂しい…っ、向こうで上手くやっていける自信ない…、」
そんなバカバカしい理由を、彼は真剣に聞いてくれた…
なんでこんなにも優しいんだろう……
こんないい人と、私なんかが結婚してもいいのだろうかと、
今度はそちらが不安になってくる…