「 由貴子、荷物どれぐらいある?」


婚約者の彼が、部屋に入ってきてそう声を掛けられた…



そうだ、今日中に荷物まとめてお引っ越ししなきゃいけないのに、何余計なこと考えているんだ私…




「 ごめん、まだあんまり片付いてなくて… 」


私がそう答えると、彼は真剣な顔をして私の前に座った…



「 どうした?元気無いぞ?」


「 …そ、そうかな?」



元気が出ない原因は判りきっている。

でも、こんなこと彼には言えない…





「 …そうだよ。

本当のこと言えよ。俺との結婚嫌なのか?」




「 ばっ!そんなわけないじゃないっ!!」


私は大声で否定した。








「 …だったらなんで?」


彼がまっすぐに私を見つめる…





「 …っ、

それは……、」