日曜日
私は引っ越しのために、部屋の荷物をまとめていた…
箱の中に収まっていく荷物を見ていて、自然とため息が溢れる…
マリッジブルーとか
そういうんじゃなくて、
ただ、このさくら荘を出るのが寂しいだけ…
約4年
私がこのさくら荘で過ごした時間。
婚約者の彼とよりも、この場所での付き合いの方が長いわけで……
名残惜しい…。
お隣の佐伯君はもとより、
203号室に引っ越して来たばかりの桃ちゃん。
彼女とは、もっと仲良くしたかったな…
あと、
103号室の小説家 如月先生。
あの人の小説、一度で良いから読んでみたかったな…
それから、
102号室と202号室の子どもたち…
私のこと、お姉ちゃんみたいに慕ってくれて嬉しかったな…
あの子たちのお母さんたちも、いつも優しくしてくれたよね……
みんな、良い人たちばかりで、
優しくて、あったかくて
こんな良いアパート
どこを探したって絶対他に無い…