昨日の夜は、佐伯さんのあの意味深な言葉のせいでよく眠れなかった…
少し寝不足な頭を醒ますように、
カーテンを開いて朝日の光をいっぱい浴びる…。
まだ少しの肌寒さは残るものの、いい天気のお買い物日和。
( どうかどうか、
佐伯さんとの距離を縮めることの出来ますように… )
お日様に向かって そんな風にお願いした。
着ていく洋服は、
昨日買ってきた少し大人っぽい服
いつも結んでいる髪は、今日はおろしたまま緩く巻いてみる…
…けど
結局 失敗して、仕方ないからアイロンでストレートにした。
そして
いつもより頑張ってメイクもした。
こんな風に自分を着飾ったのは生まれて始めてだ…。
子どもっぽい私だから、
少しでも佐伯さんに女として意識して欲しい…
こんな風に誰かを想ったのも、生まれて始めてだった……。
約束の5分前に部屋から出ると、佐伯さんは既に廊下で待っていてくれた…
「 ごめんなさい、お待たせしちゃいましたよね… 」
「 いえ、僕も今出て来たばかりですから 」
佐伯さんって、
やっぱり優しい…
「 行きましょうか、」
「 はっ、はい!
よろしくお願いします!!」
…どうしよう、
行く前からこんなに心臓が激しく脈打ってる…
私、今日1日大丈夫かな…?