いろいろ考え込んでいると、ふいに部屋のドアがノックされる…
「 佐伯君、居る〜?」
と、ドアの向こうからはお隣の三上さんの声。
ドアを開けると、三上さんがニコニコ笑って立っていた…
「 佐伯君って、甘いの好きだったよね?」
「 えぇ…、
好きですけど…、」
突然どうしたのだろうと不思議に思っていると、三上さんは楽しそうに手に持っていた白い箱を僕に見せた…
「 この前のお礼にね、ケーキ買って来たの!!」
その白い箱は、ケーキが入った箱で、
三上さんはこの前のお礼だと言って僕に手渡した。
「 …あの、僕 なにもしてないんですけど、」
結局 この前の騒動は
三上さんが殴って解決(?)させたようなもので、僕は何もしていない…
「 そんなことないよ!
佐伯君が庇ってくれなかったら、どうなってたことかわかんないよ。
…それに、あの出来事のお陰で仕事辞めるきっかけになったし!」
「 辞めたんですかっ?」
それって、僕のせいなんじゃないのだろうか…?
そう思う僕に対し、三上さんは平然と笑って話す
「 いいの!
結婚予定日が早くなって、私 逆に幸せなの!」
そう言って浮かべた笑みは、本当に幸せそうだった…