私は恥ずかしくて恥ずかしくて、
そのまま逃げるように改札に走った……
そして、電車に乗ってから彼の眼鏡を掛けたままである事に気付いた…。
なんとなく外したくなかったので、そのまま学校へ行くと、
「 桃ちゃん萌え~!!」
「 眼鏡っ子 萌え~!!」
と、友達にからかわれた…
「 桃、その眼鏡どうしたの?」
「 男もんのブランドやん。」
親友の、彩葉(イロハ)ちゃんと、亜斗夢(アトム)くんには、そう聞かれた…
この2人には佐伯さんの事を話しているので、昨日の出来事から今朝のことまで全部話した…。
「 桃はネガティブになり過ぎ!!
女の人連れて来たとしても、彼女とは限らないよ!?友達 って可能性もあるし…、」
「 彩葉の言う通りやわ、
桃かて、オレと友達やし、オレん家にも遊び来た事もあったやろ?」
落ち込みがちの私に彩葉ちゃんと亜斗夢くんがそうフォローをする…
「 それにね、桃は消極的すぎ!!
もっと積極的になろうよ!!」
「 …積極的?」
「 デートにでも誘うとかしないと、いつまでもこんな関係のままだよ?」
「 でっ、デート!?」
佐伯さんとっ!?
そんなの無理!!
恥ずかしすぎるし、そんな勇気無いよ…
「 それぐらいせんと、いつの間にか佐伯サン ほんまに女作ってまうかもしれへんで?」
亜斗夢くんが私に脅しを掛けた…
佐伯さんに、
彼女…。
私の頭の中には、昨日のあの綺麗な女の人が浮かんだ…

