「 …そんなことよりさ、


あの2人が付き合い出したらどうしよう…、」




桃ちゃんって、

ちっちゃくて可愛いし、優しいし、


私、絶対勝てる気がしない…、






「 …けど、森永さんは徹のことが好きじゃなかったか?」


「 ……。」


如月が、疑問そうに呟いた。



たしかに

桃ちゃんは、佐伯さんが好き。
それは私も知ってる…
ていうか、佐伯さんを除くさくら荘の住人全員が知っている。


だから私も安心していた…





…昨日の夜、


あんなものを見るまでは……、







「 …あのね、


昨日の夜さ、

いっちゃんが佐伯さん 殴ってるとこ見ちゃった…、」




「 はぁ?

なんで樹が徹を殴るんだ!?」



「 ……桃ちゃんのこと好きだからじゃない?」


驚く如月に、私は投げやりに返事をした…



いっちゃんは不良だけど、そんな理由で人を殴ったりしないと思う。




だけど、

恋をしたら人は変わる…




いっちゃんも変わってしまったのかな……









いっちゃん…、


私は、

こんなに大好きなのに……



いっちゃんは、

私のことより桃ちゃんなのかな…?



















 102号室の私

 
 恋がこんなに
 苦しいものだと、


 始めて知りました…