「 いっちゃん!

どうしたの!?」



アイツは当然のことながら驚いた顔で俺を見た…




俺は、なぜか心臓の鼓動がヤバいくらい速まっていた…。

ドクドクと煩く聞こえる心臓の音。



いや、

これは全部 気のせいだ…。



そう自分に言い聞かる



「 …ウチのおふくろが、おすそわけに って…、」


そう言って俺は煮物を差し出した。




ヤベェ、

俺 すげぇダセェ…





「 わぁ〜、ありがとう!!

いっちゃんママの煮物 すっごく美味しいんだよね!!」


そう言って笑ったコイツの表情に、心臓が更に跳ねた。



…ヤバい、

なんだこれ、


俺 病気…?






「 ねぇ、いっちゃん!

うちでご飯食べてってよ!今日のおかず、煮込みハンバーグなの!!」


そう言って、コイツが俺を無理矢理家のなかに引っ張った。






「 あら、いっちゃん。

いらっしゃい。」


部屋に入ると、奥さんが俺ににっこり笑いかける、


俺は小さく頭を下げた。




…その瞬間、

嫌なものが視界の中に入った…





あの小説家が、

飯食ってた……





ハンバーグを頬張っていたソイツは、俺と目が合った瞬間 びくりと肩を震わせた。



たぶん さっきと同じように無意識に睨んでしまったような気がする…