その帰り道。
彼が言った通り、雨が降った。それも大雨。
スーパーの買い物を袋抱えて、私は雨宿り。
止みそうにない雨に、思わず溜め息が零れてしまう…。
こんなことになるなら彼が言った通りに傘を持ってくれば良かった…と後悔した。
その時…
「だから雨降るって言ったろ」
雨に混じって、彼の声が聞こえた…
顔を上げれば
目の前には傘をさして立っている彼の姿があった…。
「本当に雨が降るとは思わなくて……
どうして雨が降るってわかったんですか?」
「勘…かな」
「すごいですね…」
「よく言われる」
そう言って彼は静かに笑った。