ふに口を閉ざした店長に、僕もナナも不思議に思った…。
その時だった…
「俺だよ…」
結城さんが静かに口を開いた。
「俺が…さくらの恋人だよ」
その言葉に、店長は顔を伏せた。
「なんだかよくわからないことになってるみたいだな…。
ちゃんと説明しろ。
さくらがどうしたんだよ…」
結城さんはそう言って僕らに尋ねた…。
「あ…あのね、結城さん…」
結城さんに尋ねられ、mナナが恐る恐るという風に口を開いた。
そして、そのまま言葉を続けようとしたその時…
「佐伯君」
と、僕を呼ぶ声が後ろから聴こえた
反射的に振り返ると、広瀬さんが息を切らせたようにしてこちらに歩いてきていた…
「瑠音は…」
「命に別状は無いみたいです。大丈夫ですよ。」
「…そうか」
僕の返事に広瀬さんがそう言って安堵の溜め息を吐いた…。