静かな部屋のなかに、電話が鳴った。
『電話…鳴ってるよ』
「…気にするな」
軽い電子音が繰り返し繰り返し鳴っている。
鳴り止まない音楽。
しかし、それでも歩は私の側から動こうとはしない…。
『出なくていいの…?』
「いい」
『…瑠音からかもしれないよ?』
「関係ない」
歩は頑に私の言葉を撥ね付ける。
素直じゃないな…。
彼女の名前が出た瞬間、心臓の音が大きくなったのに……
それなのに、頑に彼女への想いを否定する歩。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…