外の雨は激しさを増していて、外の桜の花を散らしていた。

少しずつ散っていく桜の花と同じように、私も少しずつ消えてしまうのかな…。



そう考えると、怖くて堪らない。




「大丈夫だ」

震える私に、歩がそう言った。

そして、私の体に寄り添うように座って、こう言葉を続けた…



「ずっと側に居るから」


そう言われて、

私は手を伸ばして歩に抱きついた。


触れられないし、なにも感じないはずなのに…

歩の温かさが伝わってくる…。




そのまま私たちはなにも話さずに、ずっとそうしていた。

静かな部屋のなかで、

雨が地面を叩く音と、歩の心臓の鼓動の音を聴いた。



心地よくて、

でもどこか悲しくて、


涙が出た……