久しぶりに訪れる彼の部屋


ドアを開けたら浮気の真っ最中とかだったらどうしようとか、そんな不安を微かに抱きながら私は彼の部屋のチャイムを鳴らした。





ドアが開くと、
びっくりした彼の顔。


そりゃそうだ。

なんせ 2ヶ月くらい連絡を取ってなかったし、


そのうえ、
連絡もなしに訪れることなんて無かったのだから…。



「 ひさしぶり。」
と、私が言おうとした瞬間


彼が大声を上げて、それを遮った…




「 別れ話なら聞かないからなっ!!」


「 …えっ?」


彼は私の顔を見るなり変なことを言い出した



別れ話…?

なんで……?




きょとんとなる私の顔を見て、



「 え?違うの?」

と、彼は間抜けな声を上げた。



そして、
盛大にため息を吐いた。



「 あ〜っ、焦った…

別れ話かと思った…… 」



「 もう、なんでそうなるのよ、」


私が半ば呆れながらそう言うと、彼は不貞腐れたように答える




「 …だってオマエ、2ヶ月も連絡なかったし…。」


言いながら私を部屋に入れてくれて、濡れたところをタオルで拭いてくれた…




「 それはお互い様じゃない。」


彼だって連絡くれなかった

私がそう言い返すと、彼は



「 バレンタインにチョコどころか、メールの一つも無しじゃ、さすがにフられたって思うだろ。」

と、恨めしそうな顔をした。




…あ、 そう言えば、

バレンタインの存在 忘れてたな…





「 …… ごめん、

バレンタインの日、出張でさ…。」



私ってば、彼女失格。







「 いいよ、


…その代わり、今日はたっぷり埋め合わせしろよな。」



そう言って彼が私を抱き寄せる…






「 …うん。」


私はそれに応えるように、彼に身を寄せるのだった…