「…ちょうと出逢った時のお前と同じくらいの歳に、さくらは死んだ」
…交通事故だった。
俺と喧嘩して家を飛び出したさくらは事故に遭い、
そのまま帰ってくることはなかった…。
俺がさくらを殺したようなものだ。
あの時、ちゃんとさくらの話しを聞いてやれれば、さくらは死なずにすんだはずだ…
俺が死ねばよかったんだ……
今でもその時のことを思い出しては、俺は自分を殺したくなる。
「確かに最初は、お前とさくらを間違えた。制服姿とか、似てたしな…。
お前を連れて帰ったのも、妹とお前を重ねてほっとけなかったってのはある。
けどな、だからお前と付き合ったわけじゃない。あいつのことは関係ない。
俺は本気でお前を…っ」
そこまで話したところで、結菜が俺に勢い良く抱きついた。
「そーちゃん、ごめんなさい…っ!!
あたし、勝手に勘違いして、そーちゃんに酷いこと…」
そう泣きながら謝る結菜の頭をそっと撫でてやる。
「俺が悪かったんだ。なにもお前に話さなかったせいで、お前を不安にさせた…」
さくらのことは知られたくなかった。
自分のせいで死なせてしまったことを、俺は臆病だから言い出せなかった。
けど、こんな風に結菜を不安にさせてしまうなら、もっと早くに話せばよかったと後悔した…。