その夜。私はそのまま男の家に泊まっていくことになった。
私がその夜知ったことは、
男がこの下の美容室の店長であることと、男の名前は、平 総一郎ということ
そして、
私と同い年くらいのセーラー服の女の子の存在……
「この子、おじさんの妹?彼女?」
借りた部屋で、たまたま見つけた女の子の写真。
その写真を見せながら何気なくそう訊ねた。
「…お嬢ちゃんには、関係ねぇよ」
男は相変わらず飄々とした態度だった。
ヘラッとした笑みを浮かべ、私の手から写真を奪った。
男は何でもないように笑っていたけれど、
この写真のことは触れられたくないんだろうと感じた。
…だから、
その時の私は、そのことについてそれ以上は触れなかった。
この雨の日の出会いをきっかけに、私は彼の店によく遊びに行くようになった。
そして、
いつの間にか彼に惹かれて、恋をして、付き合うようになった……