私がそーちゃんと出逢ったのは、私がまだ中学生のころだった…。


その日は雨が降っていて、ずぶ濡れの私に傘をくれたのがそーちゃんだった…。






「―――っ!!」


誰かの名前を呼びながら肩を掴まれた。

驚いて振り返ると、見知らぬ男がそこに居た…。




「悪いっ! 人違いだ…」

私の顔を見て、男は慌ててそう言い、肩を掴む手を引いた。


しかし、その男はすぐにもう一度私の肩を掴みこう言った


「…っていうか、嬢ちゃん風邪引くぞ。傘やるから早く家に帰んな」

「子供扱いしないでよ、おじさん」



…始まりは、そんな言葉だったと思う。

その時の私は、とにかく子供で、自分が子供扱いされることを酷く嫌っていた。





「おじさんはひでぇな~」


そう言って彼はへらっと笑う。

私はその笑みに苛立ちを感じた。



「うるさい、人違いならどっか行って。私に構わないで」


「こんな夜中にガキ一人置いて行けるかよ」


「…うざっ」




"ガキ"という言葉に、私はどうしようもなくイライラした。