「なっちゃん、やさしいね」
お菓子を頬張りながら、蓮君はにこにこしてそう言った。
「そうかな?」
「うん!」
にこにこ笑顔で頷かれて、私もなんだか嬉しくなった。
「なっちゃんが、れんのおねえちゃんだったらいいのにね」
蓮くんのその言葉にきゅんとなった。
可愛くて可愛くてたまらない…
「私も、蓮くんが弟だったら良かったなぁ…
うちの立夏なんかより、ずっと素直で可愛げがあるし……」
お菓子をもくもくと食べる蓮くんに、そんなひとり言を零した。
…すると、
「可愛げなくて悪かったな…」
と、不機嫌そうな顔をした立夏が後ろに立っていた。
「げっ、り、立夏っ!?」
慌てる私に、
立夏はぷいっとそっぽを向き、蓮くんに話し掛けた
「蓮くん、うちの姉ちゃんが蓮くんの姉ちゃんになれる方法が一つだけあるよ?」
「ほんとう?」
「うん。
蓮くんの兄ちゃんと、うちの姉ちゃんが結婚すれば…」
「きゃああああっ!!!!
ちょっと、立夏っ!! 蓮くんになんてことを吹き込むのよ!?」
立夏が全て話し終わらないうちに私は恥ずかしくて悲鳴を上げた。