どこから話せばいいのかわからなくて、一から説明した。

話を聞き終えたナナさんは、とても難しい顔をしていた…。



「 あの…、すみません。こんな話、信じられないとは思うんですけど… 」


「 ううん。別に信じられないわけじゃないよ… 」

そう応えたあと、ナナさんは思いもしなかったことを口にした…




「 ……あのさ、

その下の階にでる幽霊ってさ…、セーラー服の女の子じゃない?」


「 …え 」



ナナさんに尋ねられて、私は思い出した。

如月さんの話によれば、確かその幽霊はセーラー服を着た女の子だという……。



「 ……どうしてそれを、」



そう聞き返してしまった時、

「 ただいま 」と、ドアの開く音。


今度こそ、徹君が帰ってきたようだった…




「 ごめん、桃ちゃん。

もう帰るね…っ 」

ナナさんはそれだけ言って立ち上がり、部屋から出て行ってしまった。




「 …あの、桃ちゃん。

ナナが出てったんだけど…… 」


入れ違いに徹君が入って来て、不思議そうに私を見た…


「 えっと、あのね… 」



…こうして、私は徹君に出来事を説明することになった。



話を聞き終えた徹君は、難しい顔をした。


そして、

一人言のように呟きました…



「 ……幽霊のことは、深く知らない方がいいかもしれない…… 」



私は彼がそう言った理由がよくわからなかった。


でも、私の知らないところで大きな出来事が動き始めているということはわかった……






 203号室の私



 さくら荘には、

 謎がいっぱいです