「 ていうか、自己紹介まだだよね!?

あたし、七海 結菜。
ナナって呼んで!

結菜って呼んで良いのは、彼氏だけだから!!」


ナナって、

下の名前じゃなかったんだ……

それに、彼氏もいるみたい…。


そのことに、
またまたほっとした。



「 えっと…、森永 桃です 」


ぺこりと頭を下げると、またぎゅーって抱き締められた。


「 ほんと可愛いねー。


ていうか、
こんな可愛い子ほったらかして、まったく徹ってばどこ行ったのよ…っ!?」


「 …あっ、徹君ならお店の方に用事で… 」


「 お店…?

《Re:Re》のこと?」


「 はい 」


「 あたしもあそこで働いてるけど…、

今日アイツ、シフト入ってないよ?」


「 いえ、あの…お仕事のことじゃなくて… 」


「 ? 」



首を傾げるナナさんに、私は幽霊のことを話していいのか迷った。

だって、幽霊の話なんて信じられないし、私も未だに半信半疑だからだ……


「 …あの、」


「 うん?」


「 …ゆ、幽霊って信じますか…?」



「 ……へ?」