…昼休み


私は、いっちゃんのお弁当を持って屋上に向かっていた…




この学校の屋上は、
生徒のために自由に解放してあるのだけれど、ここはいっちゃんのサボり場として有名なので、誰も近寄らない…


私もここに来るのは始めてで、恐る恐るドアを開けた…





いっちゃんは、

屋上の真ん中で寝ていて、


寒くないのかなって思ったけど、日差しが暖かくてなかなかのお昼寝日和だった…






「 あの…っ、武井君、」


勇気を振り絞ってそう声を掛けると、いっちゃんはうっすらと目を開き私を見た…





「 ……なっちゃん、」


彼が私を見てそう呟いた





えーーーっ!?




なっちゃんって…っ!?


今 いっちゃん、私のこと「なっちゃん」って呼んだ!?



あまりのことにぽかんとなる私

そんな私をぼんやりと見ていたいっちゃんは、寝ぼけから一気に覚醒して慌てて起き上がった。





「 いやっ、今のなしっ!!

ウチのおふくろがオマエのこと そう呼んでるから、つい…っ、」


いっちゃんは顔を赤くさせて、そう言い訳をした…




なんか可愛い……



見た目 超不良なのに、なんだこの可愛さは…


私は今までで一番
きゅーんとなっていた。