「 …ごめんね、
少し浮かれてた。」
恥ずかしいと言った私に、佐伯さんは困った様な照れたような顔をしてそう言った。
「 嫌と思ったら、言って。
できるだけ加減するから… 」
佐伯さんは、
どこまでも私に甘いと思う…
「 別に嫌じゃないですよ…?
ただ、慣れてないから恥ずかしくて…… 」
そう告げると、佐伯さんはまた困ったように笑った…
「 うん。
…だけど、
大事にしたいんだ 」
やっぱり佐伯さんは大人だと思う…
だけど、そんなこと言われたら余計ドキドキしちゃう…
…そして、
帰り際
「 …おやすみ 」
佐伯さんはそう言って
ドアの前で、
私のおでこにそっとキスを落とした……
( …だから、
そういうのが恥ずかしいんだってことに気付いてください!
そうじゃないと、私の心臓が保たないですっ!! )
そんな私の気なんて知る由もない彼は、にこりと笑みを残して自分の部屋に帰って行った…
203号室の私
たぶん
今夜も
眠れそうにない…