私も佐伯さんと離れたくない…



…だけど、

付き合ってすぐに泊まってくなんて、そんな勇気私にはなくて……



腕のなかでしどろもどろする私を見て、佐伯さんが優しく言った。



「 大丈夫、

ちゃんと帰すよ…



でも、

もう少しだけこうさせて 」


言いながら腕の力が少し強まった気がした。




( どうしよう…

ドキドキしすぎておかしくなっちゃいそうだよ… )



私はこれまでまともに男の人と付き合ったことが無くて、

だからこんな甘い空気にどうしていいかわからなくて、ただドキドキが止まらない…。




ぎゅっと目を瞑って恥ずかしさをやり過ごそうとする私に、佐伯さんはあいかわらず平然として言う




「 …そんなに固くならないで。」


言いながら体を離されて、視線を合わされる…



「 …だって、恥ずかしい… 」




…こうなると視線を合わせることすらも恥ずかしく思えて、あちこちに視線を彷徨わせる私。


視界に見える彼の部屋はシンプルで大人っぽくて、

彼自身もやはり大人っぽくて…、


とても同い年だなんて思えない。