…ある日の朝




「いってきまーす、」

と、いつも通り学校に行こうと、部屋を出る私を、




「 なっちゃん、」


と、廊下で武井さんの奥さんがそう呼んで引き止めた。



「 …あのね、
申し訳ないんだけど、

ウチのバカ息子に、お弁当届けてもらえないかしら…?」



そう言って私に、いっちゃんが忘れていったお弁当箱を差し出した…



「 えっ!?」



私がいっちゃんにお弁当を!?


無理無理無理っ!!

いっちゃんのことは好きだけど、あの不良のいっちゃんに話しかけるなんて絶対無理っ!!



…そう思うのだけれど、

上手く断ることも出来ず、
私はいっちゃんのお弁当を預かることになってしまったのだった…