今日は、さくら荘の年に一度のお花見の日。



私 夏海は、

うちの母やいっちゃんママ、ユキ姉と一緒に料理の準備をしていた。

母たちが作った料理は、どれもこれも美味しそう…
私はそれを、お庭でみんなで食べれるように大きなお弁当箱に詰めていた


…すると、



「 お〜い、

買い出し行ってきたぞ〜 」


そう言いながら買い出し担当の如月が、縁側から家のなかに顔を出した

私は手を止めて如月の方に駆け寄った。



「 おつかれさま〜 」


そう言って如月の手から買い物袋を受け取ると、


袋の中には、

缶ビールやらチューハイやら、とにかくお酒がいっぱい入っていた…




「 …ちょっ、ジュース買ってきてって言ったよね!?」


私がそう声を上げると、如月は、


「 祭りに酒がなくてどうするよ? 」

と、平然とそんなことを言った。


全く話が通じていないことに愕然とする私をよそに、その様子を見ていたうちの母は笑っていた。



「 まったくしょうがないわねぇ〜 」

そう笑って言いながら母は私の方を向いた



「 夏海、あんた買ってきなさい。」


「 えーっ!?

なんで私がっ!?」


「 如月君にもう一回行かせるのは悪いでしょう?」



面食な母は、とにかく如月に甘い。

そんな母になにを言っても無駄なので、私はおとなしく渡された買い出し用のお金を受け取ったのだった。