…涙がいっぱい混じって上手く話せなかったけれど、由貴子さんはそんな私の話を最後まで聞いてくれた…。


「 …こんな話しちゃって、すみません。」


話の最後にそう言って私が謝ると、由貴子さんは私の頭を優しく撫でた…


「 なに謝ってんの?…桃ちゃんはいろんなことに気を回し過ぎだよ。

もっと自分に自信持っていいのよ。」


「 ………。」


"自分に自信"

私は今まで自分に自信なんて持った事がない……



低い身長

童顔

幼児体型

…見た目のコンプレックスだけでも挙げ出せばきりがない。



「 …私は桃ちゃんのこと大好きだよ。

だって、あの佐伯君が惚れちゃうくらい魅力的な女の子なんだもん。」


由貴子さんは、俯く私にそんなことをさらっと言った。



「 ーーっ!?

か、からかわないでくださいよっ!?

佐伯さんのことはきっと私の勘違いで…っ 」


恥ずかしくなって慌ててそう言うと、由貴子さんは悪戯な笑みを浮かべた。



「 それはちゃんと本人に確かめてみないと判らないよ?」


「 …うっ、でも… 」


「 もうっ、うじうじしてないでお花見行こう!

悩んでても仕方ないんだから、彼が来るまで考えるのはやめて楽しもうよ!」


そう言って由貴子さんは私の手を引いた…。