私は由貴子さんの言葉に頷いて答えた。

でも、暇と言うよりかはなにもやる気が起きないだけだった…


そんな私に由貴子さんは嬉れしそうにこう言った


「 今日ね、さくら荘の庭でお花見するの!ここの住人の恒例行事なの!
だから桃ちゃんも来て!!」


「 …えっ、」


思いもしなかったお誘いに戸惑う私に、由貴子さんは言葉を続けた…


「 …佐伯君もね、バイト終わったらすぐに来るって言ってたよ。


桃ちゃん、佐伯君となにかあったでしょ?

…だから、ちゃんと話せるいい機会になると思うよ?」


「 ーーっ!?」


由貴子さんのその言葉に、私はなんだか言葉では言い表せない気持ちでいっぱいになった。


私の佐伯さんへの態度ってそんなに露骨だったのだろうか…

きっと端から見れば、嫌な子に見えていたに違いない……



そんな事を考えてしまい黙ったままでいると、由貴子さんが心配そうな様子で私の顔を覗き込んだ



「 …桃ちゃん、どうしの?」


優しいその声に、思わずじわっと涙が溢れた…



「 …っ、由貴子さん…、私っ 」


涙はそのまま次から次へと流れ出してしまう…



「 桃ちゃん!?どうしたの?大丈夫っ?」

崩れそうな私を、由貴子さんは慌てて抱きとめてくれた。



「 …ごめんなさいっ、

私、自分でもよくわからなくて…っ 」



「 …佐伯君となにかあったのね?」



頷いて答えると、
由貴子さんは私の背中をゆっくり撫でてこう言ってくれた…



「 抱え込んじゃ駄目だよ。

私でよければ話してみて?」