4月に入り、
初めての日曜日



さくら荘の庭にある桜の花が満開になった…。


203号室の自分の部屋から見える満開の桜を眺めながら、私は昨日の佐伯さんとの出来事を思い返していた…




( …"告白の返事" )

彼の言葉を繰り返し心の中で呟きながら、ぐるぐると思考を巡らせた…



( 佐伯さんは、

私のこと好き なのかな…?)


( でも、私の思い違いかもしれない… )



性懲りもなくまた期待してしまう一方で、ナナさんの存在も引っかかる……


彼のすぐ近くには、彼に釣り合う女の子がいる。


…そのことが、

私の胸をどうしようもなく苦しめる




( …やっぱり無理だよ……

自信なんて全く無いもん… )


考えてるうちに私は視線を桜から離していて、いつの間にか俯いていた…



こんなにお天気もよくて桜の花が綺麗な日に、私はなにをしているんだろう……

虚しくなって、ついつい溜め息が零れてしまう…。





…そんな時、

ピンポーンと、部屋のチャイムが鳴らされた




「 ……はーい 」


返事をしながら玄関を開けると、



「 桃ちゃん今日暇〜?」

と、由貴子さんが突然そう尋ねてきた…