私がフローリングの床の上に座ると、佐伯さんも一緒になって床に腰を下ろした…
そして、雑誌とかに紹介されてるいろいろな髪型の写真が貼られたスクラップ帳を私に見せた…
「 前髪切るって言ってもいろいろ種類があるからね…、どんな感じがいい?」
「 …え っと…… 」
どんな感じと聞かれても返事に困る。
目の間のスクラップ帳には可愛い髪型が並んでいるけれど、それはモデルさんが可愛いから良いのであって、並な私が髪型に凝っても変なだけだと思う…
「 …あの、整える程度でお願いします…。
どれも可愛いけど、私なんかじゃ似合わないと思うし… 」
私がそう言うと、佐伯さんは不思議そうに首を傾げた。
「 なっちゃん可愛いから、どんなのも似合いそうだけど…?」
「 ーーーっ!?」
…お世辞だってことはよく判ってるけど、それでも私の顔は熱くなる…。
それを隠すように私は俯いて、
「 …じゃ、じゃあ佐伯さんにお任せします…… 」
と、呟いたのだった……。