普段の私なら、
いっちゃん以外の男の子にドキドキするなんてあり得ないし、もししてしまったら自己嫌悪に陥るところだけど…、
佐伯さんなら仕方ない。
だって彼は、私の知っているどのイケメン俳優よりもかっこいいのだから……
「 どうぞ入って。
部屋のなか散らかってるけど… 」
「 はっ、はい。
…お、お邪魔します…。 」
促されるまま部屋にお邪魔すると…、そこには猫のくーちゃんが居た。
「 あっ!くーちゃんだ!」
私がくーちゃんの姿を最後に見たのは1月の始めだったと思う…。
相変わらずくーちゃんはお昼寝が好きなようで、佐伯さんの部屋のソファの上を我が物顔で陣取り寝息を立てている……
「 ごめん、ソファ使えなくて… 」
佐伯さんが困ったようにそう謝った。
「 いえいえっ!!
大丈夫です!むしろ床の方がいいです!!」
私なんぞが佐伯さんのソファに座るなんておこがましいにもほどがある。くーちゃんが占領してくれてて逆に良かったって思う…