「 このさくら荘の住人で、一番のいい男と言えば誰かしら?」
「 そりゃあ、断然 204の佐伯君じゃない??
そこらへんのアイドルよりカッコいいじゃない」
「 やっぱりそうよね〜 」
「 …そういえば、
佐伯君って、最近越して来た女の子と付き合ってるのかしらね?」
「 あぁ、最近 よく2人で歩いてるものねぇ」
「 美男と美少女で、お似合いよねぇ〜」
おばさん2人が、こたつに入って煎餅食べながらそんな会話をしていた…
そのおばさんのうちの1人は、私の母。
もう1人は202号室の武井さん家の奥さんだ。
会話に上がっている204の佐伯さんは、たしかにカッコイイと思う…
優しいし、
背も高いし、
美容の専門学校生だけあって、すごくオシャレでかっこいいし…
…でも、
私が一番かっこいいと思うのは…、
「 …でも、武井さん家のいっちゃんも、いい男よねぇ、」
さすが親子だけあって、私の母は、私の思っていることを口にした…
武井さん家の長男 樹
いっちゃん。
私の好きな人……、