「 …よかった。」


「 え?」


ふいに佐伯さんが言葉を漏らした…

猫を見つめていた視線を上に向けて彼を見た。




「 …もう嫌われたかなって思ってたから、こうしてちゃんと話せてよかったなって思って…… 」


佐伯さんは少し照れたようにそう口にした。


その表情に、胸の奥がぎゅうってなる…




…どうしよう。

私、また期待しそうになってる……




ドキドキでなにも言えない私に、佐伯さんは言葉を続けた。




「 …あと、

この間の告白の返事、いつでもいいから聞かせて下さいね。」



彼はそんな事を言った…。


私が呆然としているうちに、佐伯さんはくーちゃんを連れたまま自分の部屋に行ってしまって、

取り残された私は、尚も呆然と彼の言葉を頭の中で繰り返した…






"告白の返事"

…彼は確かにこう行った。





私、佐伯さんに告白されてたの…?

あの時の言葉、素直に期待しても良かったの…?





だめだ、

ドキドキしすぎて、おかしくなっちゃう……













 203号室の私



 彼に"好き"と、


 伝えても

 許されますか…?