冬が終わり、すっかり小春日和となった今日この頃…
ほぼ満開になった桜の木の下でお昼寝するのは、一匹の猫。
「 かわいい…
どこかの飼い猫かな…? 」
私‥森永 桃は、すやすやと寝息を立てる猫の前でしゃがみ込んで様子を見ていた…
起きる様子のない猫
おそるおそる手を伸ばしてそのふわふわな体をそっと撫でてみる。
温かくて柔らかなその感触に、思わず笑みが零れる……
すると突然猫が、ぱちっと目を醒ました。
慌てて撫でていた手を引っ込める私を、猫は逃げる事もなくただ満月の様な瞳でじっと見つめた……
「 にゃー 」
甘えた声でそう鳴いてそうすり寄ってきて
その様子に、私は引っ込んでいた手をもう一度伸ばした…
「 …どこから来たの?」
答えが返ってくるわけないけれど、そんな風に尋ねてみた。
当然だけど猫が答えるわけもなくて、撫でる私の手に気持ち良さそうに目を細めているだけだった…。