俺は溜め息を吐いて、ベッドに倒れ込んだ。

そんな俺を見て、奴は不思議そうに首を傾げた




『 …? 会社行かなくていいの? 』



「 ……。

起こさなかった奴が聞く事か? 」



『 …だって、

アンタいつも仕事ばっかりじゃない。』



「 ………。」




確かに俺はコイツの言う通りの仕事人間。


残業は当たり前、仕事を家に持ち帰るのも毎度の事。その甲斐もあり、会社ではそれなりに重要なポジションに就いている。



…しかし、

ここ最近‥と言うより瑠音と別れてからは、仕事に力が入らなくなっていた…。


アイツの事を忘れようと仕事に没頭するものの、思うように出来ない自分。無理して空回った結果、疲れが溜まって今日の様な失敗をする。そんな自分に心底呆れる…





「 …今日はもう寝る。」


そう言って俺は携帯電話を手にして、会社に電話を掛けた。


欠勤理由は、体調不良。


電話する俺の横で幽霊が『 ずる休み〜!』と声を上げていたが、コイツの声は俺にしか聞こえないので気にする必要もない。