「別れようか。」



その言葉を切り出したのは俺の方だった。

その言葉を待っていたのはアイツの方だった。



アイツは感情のこもらない瞳で俺を見つめ、感情のこもらない声で


「 うん。そうだね。」

と、そう応えた…




「 …荷物、すぐに片付けるね…… 」


そう付け加えた言葉に、俺は首を振った。




「 いいよ、俺が出て行く。

ここはもともとの瑠音の部屋だっただろ。」



そう言った俺の言葉に、彼女‥瑠音(ルネ)は小さく頷いた。




必要なだけの荷物をスーツケースに詰めた。
彼女との思い出は、入りきらなかった荷物と一緒に全て捨てた……。






「 …もし、俺のものがまだ残ってたら捨てていいから。」


「 うん…。」



俯きながら返事をする彼女に、俺は別れの言葉を告げた…




「 じゃあな…。」