ついつい俯き加減になる私の顔を、いっちゃんはその高い背を丸めながら覗き込んだ。




「 …もう作ってくんねーの?」



「 っ!? 」




顔が近すぎて、心臓が飛び跳ねた。
加えて、拗ねたような表情がなんとも可愛くて、きゅんとなってしまう…。



「 …っ、作ります!!」


慌ててそう返事をすると、いっちゃんはまるで子どもみたいな笑顔を浮かべた…


いっちゃんの仕草、表情、すべてが私を惹き付けて離さない。



…目眩を起こしそうな感覚に耐えながら私は、さくら荘までの帰り道をいっちゃんの隣りで歩くのだった…。







 102号室の私

 
 春休みの予定は、
  
 甘い卵焼きの
 練習です!!