明日からうちの学校は春休みになる。


…嬉しいけど、

いっちゃんと一緒にお弁当を食べることが出来なくなるのが寂しかったりもする…。




終業式を終えてさくら荘へと帰る途中、私はそんなことを考えながら歩いていた…。


すると、前方に見慣れた人物を発見。




長身

アッシュブラウンに染めた髪

着崩した制服




それはまさに私の想い人の後ろ姿…






「 いっちゃーーーんっ!!」


私は嬉しくなって、その後ろ姿に向かって駆け出した…

私の声に、いっちゃんは驚いたようにこっちを振り返った。



駆け出す私をいっちゃんは立ち止って待っててくれて、そんなさりげなく優しいところに胸がきゅんとなる…。




「 一緒に帰ろー!」


「 ………。」



私の言葉にいっちゃんは応えなかったけれど、隣りを歩く私にわざと歩調を合わせてくれた…。


やっぱり
いっちゃんは優しい……