…食事のあとは、
佐伯さんは約束通り買い物に付き合ってくれて、
私よりも真剣に眼鏡を選んでくれた…
…佐伯さんが選んでくれたのは、薄いピンクのフレームの可愛らしいデザインの眼鏡だった。
かけてみれば、
「 よく似合いますよ。」
と、私の大好きな笑顔と一緒に言われてしまい、私はその眼鏡を買うことを決めた。
「 じゃあ、これにしますね。
お会計してきます…」
そう言って会計に向かう私の手から、
佐伯さんが突然眼鏡を奪った。
「 っ!?
えっ、佐伯さん!?」
驚く私に佐伯さんは構うことなく、眼鏡を持ったままレジに向かった。
そして、会計をすませたそれを私に手渡した
「 どうぞ 」
佐伯さんは笑顔でそう言うけど、
私はなにがなんだかよくわからない……
「 …さ、佐伯さん?」
「 はい?」
「 …お金、」
「 僕に払わせて下さい」
「 なっ!?
駄目ですよ、そんなことっ!!」
ついつい大声を出しまう。
そんな私に対し、佐伯さんは相変わらずマイペースで、
私の反応を見て楽しんでいるようにも思えた…。