…2年前
春の始め
俺 25歳
由貴子 22歳
それまでの俺たちの関係は、先輩と後輩だった。
同じ高校で、
委員会などで顔を合わせる程度だったが、
由貴子はその頃から、人目を引くほど綺麗な子で、印象強かった…
…高校卒業から7年の月日が経った頃、
この街で偶然にも再会した彼女は、
やはりというか、かなり綺麗になっていた……
「 あのっ!!
斉藤先輩ですよね!?
私、三上です!!
高校の時、委員会で一緒だったんですけど…
覚えていますか!? 」
駅で突然彼女にそんな風に声を掛けられた時は、
それはもう驚いた…
なんせ、自分とは一生縁の無さそうな美人に声を掛けられたのだから……
…その再会をきっかけに、俺と彼女は時々会うようになった
とはいえ
その頃の俺にとって
彼女は恋愛対象に入っていなかった。
自分なんかが、こんな美人と付き合えるとは微塵も思っていなかったし
むしろ…
そんな感情を抱いたとしても、不毛なだけだ。
と、やや捻くれていたぐらいだ……