「 どーせ、俺は美形とちゃうわ。」


「 …へ?」




"佐伯さん"を思い出して思わず微笑む私に対し、


隣りを歩く亜斗夢はわざとらしく拗ねたように言う…





亜斗夢も、そんな露骨に拗ねるほど顔が悪いわけじゃない。



…むしろ

かっこいい部類に入るほどだ。





…けれど、

亜斗夢はモテない。



奇抜なその名前に負けず劣らず、

その見た目も奇抜なのだ




プラチナブロンドのような色に染めた髪に、ピンクのメッシュ

古着で纏めた服装…




センスは悪くない(むしろ良い方だ)けれど、


奇抜というか、
我が道を突進み過ぎて、
女の子にはあまり人気がないのだ。








…まぁ、

私はそんな亜斗夢が好きなわけだけど……