由貴子さんの言葉にいち早く反応したのは、
佐伯さんではなく、ナナさんだった…
「 え~、そう見えますか~?
徹、どうする~?彼女に見えるって!!」
と、彼女は楽しそうに声を上げた…
「 いや、ただの友達です。」
楽しそうなナナさんを見て、どことなく嫌そうな顔を見せた佐伯さんは、至極真面目な顔でそう答えた…
( …そっか、ただの友達なんだ…
よかった……。
この前の意味深な言葉はきっと、ただからかわれていたんだけなんだ… )
彼の言葉を聞いて、
私は、胸の奥にあったモヤモヤとした感覚が一気に晴れていくのがわかった…