少し潤んだ彼の眼を見ていると、吸い込まれてしまいそうになる


顔が熱くなる


‥胸がドキドキする‥







徠也も春菜を見つめたまま






紅くなる彼女をこのまま見ていたい






なにかの魔法にかかってしまったかのように、二人の身体は動かない











…すると
リビングから聞こえる春樹の声で、かかっていた魔法が解けた…






「春菜ちゃぁぁん!お昼はなぁに?」



ビクッと身体を大きく震わせ我に帰る春菜



まだ心臓は跳ねていて落ち着かない


「あ!あのっっ」


焦りまくりの春菜をよそに徠也はふわりと微笑み、
春菜の頭をポンとして自室に戻って行った




更に激しくなる心臓



い、今の笑顔は何!?
どゆこと?!
ドキドキしすぎて頭が回らないよぉ-!!





そんな春菜を知るわけが無く
春樹はニコニコしながら歩み寄る



「俺さ、オムレツが食べたいんだ!でね、俺が作るオムレツってのは格別でーって、‥聞いてる?!」



さっきまで徠也と一緒だった上の空の春菜を見て春樹は感じた




‥もしかして、

‥やっぱり春菜は徠也の事を‥?