『ぐわぁぁぁ!!』


　通信機越しに、先ほどの声の悲鳴が聞こえたかと思うと、次の瞬間、ギアは爆発四散した。


　そして、次の瞬間。

「！」


　弁財天は再び銃口を向けたかと思うと、今度は、アトランテの戦艦に向かって、銃を掃射する。


　一瞬、動きの止まるアトランテ戦艦。


　あの機体は、確か向日葵小隊の艦。


　私も昔、所属したことのある艦だ。


「ま･･･まさか、鈴蘭!!」


　そのまさかだった。


　鈴蘭は、一瞬動きの止まった向日葵小隊の艦の上に取り付くと、剣を取り出し、管制室に向けて振り上げる。


「やめてー!!」


　虚空に響く、私の悲鳴。


　まるで、その悲鳴に耳をふさぐかのように、弁財天は容赦なく、戦艦の管制室を破壊した。


　爆音と共に、墜落する戦艦が私の目を襲う。


　あの戦艦には、お人好しの整備士がいて、いつも他のみんなからからかわれていた。


　食堂のオバサンは優しいけれど、お調子者で「お姉さん」と呼ぶと、おまけをしてくれた。


　オペレーターは女癖が悪くて、私を見るたびに、お茶に誘ってきたが、私はいつもそれに色んな理由をつけて、断っていた････。


　他にもいっぱいいっぱい、いい人がたくさんいて、私を助けてくれていた。


　殺した･･･殺された･･･。


　私の目の前で、私の最愛の人がやったのだ･･･････私の命令の元で････。