海人の後ろで聞こえる、コックピットハッチが閉まる音、背中に取り付けてあるバーニアの燃え上がる音。
倉庫内と連動するように、コックピットが小刻みに震えだす。
整備調整する時間は二週間もあった。
一応、契機やエネルギー残量などを調べてみるが、異常など見つかるわけもない。
海人は皐月の右手を動かし、地下倉庫の壁にあるハンドルを左に回す。
さび付いた金属がこすれる音が倉庫内に響き渡り、人間用の出入り口とは反対方向についているシャッターが開く。
そこから現れるのは地上まで続く、角度30度もあるカタパルト。
一応、足を乗せるとスライドして自動的に排出してくれるシステムになっているが、残念なことにただいま故障中。
そのため、皐月の出動はいつもその坂道を歩いて上るところから始まる。
出撃の仕方としてはこの上なくかっこ悪いが、金がないため仕方がない。
外に出ると、そこに広がるのは一面に広がる曇り空と、ゴミと異臭が交じり合う砂漠地帯。
スラムの最西端に位置する、1ヘクタールに広がる小さな砂丘のど真ん中に立っている木造平屋が、海人とアルクの現代の住処なのだ。


