ギア・ドール


「がめつい女は嫌われますよ?菫さん。」


 ため息交じりのアルクのイヤミ。


『けち臭い男はもっと嫌われますよ。アルクさん。』


 同じようなイヤミで返される。


 ホント、似たもの夫婦だよ。お前たちは・・・。


「けち臭いんじゃなくて、ホントにお金がないんだよ・・・・。」


 確かに、それは言える。


 でなければ、四日連続でラーメンなんて食べない。


『だから、わざわざ海人を誘ったんだろう?』


「俺をカモにすんな。」


 あまりの言い草に、思わず口を挟んだ。


『なんだ?海人、まだリビングにいたの?さっさと支度してよ。』


 ほっとけ。


「やかましい。・・・言うとくが、俺はアルクと違ってお前に金を払う道理なんて、どこにもないやで。」


 海人はアルクの隣に立つと、口を挟む。


『それぐらい分かってるよ。私だって、そこまでがめつくありません。最近、海人もアルクのねちっこさが移ったんじゃない?』


 口を尖らせ、一応怒った表情を作る菫。


「・・・ほっとけ。」


 思わず、口に出た。


『いいから早くしてよね。私、ずっと待っているんだから・・・。』


 その割には、アルクと悠々と話をしていたイメージがあるのだが・・・。