「悪いが、今取り込み中やで。出来れば、後にしてくれや。」
紫煙を吐き出しながら、わざと遠くを眺める。
どうしようもない用事だったら、即刻切るという合図だ。
『またなの?・・・あんたたち、基本的に喧嘩していない時がないわよね?』
海人につられてか、画面の向こうでポケットからタバコを取り出し火をつける菫
紫煙が画面にかかり、菫の顔を少し隠す。
確かに、菫が電話するときは、いつもアルクと何がしら言い争いをしているときが多いような気がする。
「お前の電話するタイミングがいつも悪いねん。・・・それで、何の用や?」
とりあえず、話をずらす。
『あぁ、紫卯基地攻防戦。終わったわよ。だから回収に誘おうと思って・・・行くでしょ?』
「ホンマか?」
タバコが口から落ちたことも気にせず、海人は身を乗り出した。
思わず、顔がほころぶ。
やっとこ、一段落ついた。
久々の仕事だ。
これで、やっとまとまった金が手に入る。
肉・・・肉が食える・・・・。


